自己否定してしまう度に自分に「ごめんなさい」と謝る。
あるカウンセラーから そうアドバイスされた方から「これって効果あると思いますか?」と、質問を受けました。
その方には私なりの見解を伝えましたが、その後、別の方からも同じ質問があったんですね。
自分の言動に対して「ごめんなさい」と謝ることで自己肯定感が高まるのか。この記事で取り上げたいと思います。
自己否定する自分に謝罪するのって効果あるの?
お話しを伺った内容をまとめると、
クライアントの方は
「できない」「ムリ」「私ってダメ」といった自己否定を解決したい。
カウンセラーは、
「自己否定したら、否定してごめんね」と謝ってくださいとアドバイス。
自己否定する度に「否定してごめんね」と謝ってみたものの、自己否定は止まらなかった。クライアントさんは、そもそもそれをやる意味も分かっていない。
という状況でした(詳細は割愛しています)。
結論からいうと、自己否定する自分に謝ることに効果があるかは、人によって異なります。
そりゃそうだ!なんですけど、こと心理に関しては本当に「その人による」部分が大きくて。自分に謝罪して効果がある人もいれば、全然合わない人もいるんですね。
ただ、私自身は「自己否定したら自分に謝る」セラピーはしていません。
そもそも謝罪って、自分に非がある時にするものです。
ここでの謝罪は、おそらく「自分を否定して傷つけたから」でしょうか。
だけど、自己否定している人からすると自己否定って
「自分では望んでいないのに勝手に出てきちゃう」感覚だと思うんです。
辞められるなら今すぐ辞めたいけど、気がついたら自分を否定してしまう…。理屈や意思の力ではどうにもならない感じがしているはずです。
謝罪より効果がある方法とは
だからこそ、自分に謝罪するより先にやってほしいのは、
なぜ自分を否定してしまうのか、その理由を理解してあげることです。
誰だって、本心では自分を否定したくないんです。
なのに自己否定がやめられないのは、そうするに至る事情や経緯があるからです。
たとえば、
- 親に否定されて育った
- 頑張っても褒めてもらえなかった
- 過剰に期待されたけど上手く出来なかった
- 兄弟姉妹や周りと比べられた
とかね。
子どもが悪いことして先生に怒られる時も、単に「悪い事したでしょ!謝りなさい」と言われるより、なぜそれをしたのか話しを聞いたり理解してもらいたいですよね。あれと同じです。
自己否定してしまう自分の経緯を理解した上で、「つらかったね」「よく我慢したね」「そんなことがあったら、自分を否定するようになっちゃうよね」と、共感し寄り添う。
「自己否定する自分」を責めたり謝罪するより、そんな自分にも優しくしていくのです。
意味を理解した上で取り組む
もう一つ気になったのが、クライアントさんの理解度です。
何のために謝っているのか理解しないまま、形式的に「否定してごめんね」と謝っても効果ないと思うんです。
彼とケンカした時だって、こっちが何に怒ってるのか理解していないのに、とりあえず「ごめんごめん!」と言われても、全然嬉しくないじゃないですか。絶対悪いと思ってないよね、私の怒りをなだめたいから謝ってるだけだよね!と気持ちは収まりません。
同じ行動をするのでも、「ただ言われたことをやる」のか「クライアント自身が納得しながら取り組む」かで、効果が変わってきます。
⚫︎ 今、自分に何が起こっているのか。
⚫︎ それは何故なのか。
⚫︎ それを解決するために何が必要なのか。
⚫︎ だから何をするのか。
クライアントさんが自分を理解しながら、前のめりで取り組める。そのための説明をすることが、私たちカウンセラーの役割の一つです。
カウンセリングでも自己啓発でも、それをやる意味や目的、ゴールを明確にした上で進んでいくといいですよ。
以上、「ごめんなさいセラピーは効果があるのか?自己否定する自分に謝るってどうなの?!」という記事でした。
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