「やりたいことが分からない」「やりたいことが見つからない」というお悩みは、心理カウンセリングでもよく出てきます。
特に40代になると、現状に対する「行き詰まり感」があったり、今の延長線上にある未来が見えてくる世代。
立ち止まって人生を見つめたり、今後の生き方や働き方を考える際、「自分がやりたいこと」がとても大事になってきます。
だからこそ、「やりたいことが分からない!」と停滞するのは、もったいないですよね。
⚫︎ やりたいことが分からない
⚫︎ 新しい何かを探しているけど見つからない
⚫︎ そもそも好きなものも分からない
この記事では、ノートとペンを使った「今すぐできる」やりたいことの見つけ方についてお伝えします。
心理カウンセリングの現場で、実際にクライアントさんにやって頂いているものです。ノートとペンを準備してぜひやってみてください!
やりたいことを見つけるための2ステップ
「自分が本当にやりたいことって何だろう?」何度考えても答えが出てこない時ってありますよね。
そんな時は、「やりたいこと」を探すのではなく、すこし異なる角度から探ってみると突破口が見えてきます。
やりたいことが分からない時は、以下の2つの手順でやりたいことを見つけていきましょう。
手順① やりたくないことをリストアップ
手順② ①で出てきたものの「逆」を書き出す
それぞれの手順を具体的に解説します。
やりたくないことをリストアップ
やりたいことが分からない時は、まず「やりたくないこと」を書き出しましょう。
「やりたいこと」が見つからない時は、それを絞り出すことに時間を使うのではなく、反対に「やりたくないこと」にフォーカスを当てると解決の糸口が見えてきます。
「やりたいこと」ではなく、「やりたくないこと」を挙げていきますよ。
ここでのポイントは、すべて出し切ること!
「洗濯物たたむこと」「今の会社で働き続けること」など大小関わらず、やりたくないと感じていることを全て出し切ることです。
思いついたら書き出す感じで
数日かけて書き出すといいですよ!
やりたくないこと以外にも、今の生活にあるけど「本当は嫌!」というものも書き出します。
⚫︎ やりたくないこと
⚫︎ 行きたくない場所
⚫︎ 会いたくない人
⚫︎ 捨てたいもの
⚫︎ 触れたくない情報
普段あなたが不快に感じる時間や、これ以上自分の時間を使いたくないものをヒントに洗い出してみてください!
ノートはあなただけが見るものです。自分に正直に書き出しましょう。
リストアップしたものの逆を書き出す
次に上で書き出した「やりたくないこと」の【逆のこと】を書き出します。
手順①で箇条書きにした一つ一つに対して、それと「逆のこと」を書いていくのです。
⚫︎ 毎日遅くまで残業する→仕事を早めに切り上げて自分時間を楽しむ
⚫︎ 家事が負担→一人で抱えずに家族にも手伝ってもらっている
⚫︎ 職場の人間関係が嫌→嫌なことがあっても必要以上に引きずらない
ここでは「出来るかどうか」は一旦脇において、シンプルに「左側のページの、その反対」を書き出してみてください。
思い浮かばない時は飛ばしてもいいし、1つの「やりたくない」に複数の「逆のこと」が出てきてもいいですよ!
やりたくないことを挙げるメリット
上の手順では、「やりたくないこと」→「その反対」を挙げてもらいました。
やりたいことが分からない時、なぜ、「やりたくないこと」を挙げるといいのか。そのメリットはいくつかあります。
やりたくない!という「やりたいこと」
多くの人が「やりたいこと」を探すのですが、「やりたくないこと」も同じくらい大事にしてほしいと思っています。
なぜなら、「やりたくない」と「やりたいこと」は表裏一体だから、です。
上の手順②に出てきましたね。「やりたくないこと」の裏には「やりたいこと」が隠れています。
⚫︎ 毎日遅くまで残業する→仕事を早めに切り上げて自分時間を楽しむ
⚫︎ 家事が負担→一人で抱えずに家族にも手伝ってもらっている
⚫︎ 職場の人間関係が嫌→嫌なことがあっても必要以上に引きずらない
「ジャナイ方」を明らかにすることで、浮かぶ上がってくるものが見えてくるはずです。
下の写真を見てみてください。
「手そのもの」を書かなくても、ジャナイ方(周り)を塗ることで手が浮かび上がってきますね。ぼわわわーんっと。
もちろん精度や明瞭さは、「手そのもの」を書いたほうがあります。だけど、やりたいことが見つからずにモヤモヤするくらいなら、少し焦点を広げて「やりたくないこと」にフォーカスを当ててみてください。
ネガティブ思考でも今すぐ取り組める
やりたいことが見つからない時、多くの場合、そこには 何らかの「足を引っぱる心理的要因」があります。
【やりたいことが見つからない要因:例】
⚫︎ 自信がない。自分に出来ると思っていない
⚫︎ 人からどう思われるかを気にしている
⚫︎ 失敗することを恐れている
⚫︎ やりたいことへ踏み出したいけど、どこか面倒くさい
⚫︎ 心も身体も疲れていて、冷静に考えられない
⚫︎ 今の状況にそこそこ満足している
心理カウンセリングでは、その要因である、自信のなさや恐れなどを解消することで「やりたいことが見つかる」サポートをしています。
だけど、足を引っ張り心理的要因がありつつも、それらをすり抜けて「やりたいこと」を見つけることが出来ないか。試行錯誤した上で見つけたのが、上の2つの手順です。
自分に自信がない、不安が強い、心身ともに疲弊しているといった、ネガティブな状態のときでも「やりたくないこと」のリストアップは出来ます。むしろ、ネガティブな時ほどたくさん出てくるはずです。
自分でも無自覚なまま、ストレスが溜まっていることは よくあります。やりたいことが見つからないときは、もしかしたら心や身体が疲れている時なのかもしれません。
暗闇の中にいると、光がより眩しく感じられるもの。
自分の状態が万全でないときは、「やりたいこと」という光を直視するのではなく、「やりたくないこと→その反対」という影から俯瞰してみるといいですよ。
やりたくないことを手放す
日々、「やりたくないこと」ばかり やっていたら、「やりたいこと」って中々見つかりません。
やりたくないことにエネルギーを割かれていたら、やりたいことをじっくり探すこともできないし、「やりたいこと」に対するハードルも高く感じてしまいます。
なので、「やりたくないことをどう手放すか?」を考えてみてください。
出来るところからでいいですよ。大事なのは無理せず出来ることから動くことです。
いろんな方のお話を伺うと、やりたくないことを手放していく中で 「ふとした拍子に」やりたいことが見つかる方が多いです。
「友人と話していたら やりたいことを思い出した!」「テレビを見ていたら やりたいことにつながるヒントが見つかった」などなど。
おそらく、そのキッカケは以前からあったと思いますが、やりたいことを手放して気持ちに余裕が出てきたことで、必要な情報がキャッチできるようになったんですね!
まとめ:停滞せず前へ進む
ということで、やりたいことを見つける2つの方法をお伝えしました。
実際書き出すと分かりますが、「逆のこと」の内容は本当に様々です。
「毎日遅くまで残業は嫌!」の反対だと、
・週の半分は定時に帰りたい
・19時には会社を出て、家で自炊したい
・テキパキ仕事を終えて、プライベートを充実させたい
・周りに気を使わず仕事がない時は帰りたい
・残業がない会社へ転職したい
こうして書き出してみると、一つの「やりたくないこと」に対する「その反対」は様々ですね。正解がないので、思いついたことを自由に書いてみましょう!
ちなみに、2つの手順をやってみて、
右ページに書かれたものが あなたが 「いま望んでいること」です。
⚫︎ やりたいこと
⚫︎ 求めているもの
⚫︎ 望んでいる状況
やりたくないことを洗い出すことで現状の振り返りにもなるし、自分が幸せを感じる理想の状態も明らかになっていきます。
40代になって今後の生き方や働き方を考えたい方には、特にお勧めしたいやり方です。
やりたいことが見つからずに停滞してしまう位なら、ぜひ「やりたくないこと」を見ていくことで前へ進んでいきましょう。