今日はアダルトチルドレン(AC)や長女気質の方へ向けたお話しです。
長女さんでなくても、子どもの頃から頑張ってこられた全ての方に読んでいただきたいです。
アダルトチルドレンとは:
(Wikipediaより一部引用)
親や社会による虐待家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。機能不全家族の下で育ったことが原因で(大人になっても)深いトラウマ(外傷体験)を持つという考え方、現象、または人(大人)のこと。
私の心理カウンセリングには、いわゆる「いい人」が多くいらっしゃいます。
ガマン強くて、自分のことより他人を優先させて、責任感がつよくて、頑張り屋さん。
いわゆる「長女気質」の方、アダルトチルドレン(AC)の方です。
先日、お越しいただいたFさんも、この長女気質・アダルトチルドレンの方でした。
ずっと婚活がうまくいかず、このまま続けるより「先にメンタルを整えないと上手くいかないかも…」とカウンセリングに来てくれました。
婚活でいいところまで進むのに、最後の最後で どうしても結婚までたどり着かない、、、というパターンが続いたそうです。
ご両親の挨拶も済ませて あとは籍を入れるだけ…のはずが、急に不安になってお断りをしたり。結婚が決まって新生活へ向けて彼と食器を選んでいたら、急に結婚したくない!!となってしまったり。
意識の上では結婚したい気持ちが強いのに、心の奥底では「結婚したくない」と思っているかのようでした。
心の奥底=潜在意識のこと。潜在意識にある思いは、自分では気づくことが出来ません。自分の意識では捉えられない領域にあるからです。
潜在意識に気づくヒントは「行動」です。
どんなに「やりたい」ことでも潜在意識が「やりたくない」なら、結局「やらない」行動になっているはずです。
やる気がなくなったり、急なアクシデントで出来なくなったり、理由は様々です。だけど結果として、私たちは潜在意識に沿った行動をします。
Fさんも、自分としては結婚したい気持ちがある。だけど、最後結婚まで行き着かない。その原因は、足をひっぱるブレーキがあるでは?と考えられたそうです。
Fさんの結婚を阻んでいたのは、どんな「思い込み」だったかというと…。
「お母さんをおいて私だけ幸せになれない」という想いが出てきました。
Fさんがまだ幼かった頃、Fさんから見た母親は「幸せに見えなかった」そうです。父親に文句いわれて、祖母にこき使われて、いつも我慢して忙しそうで全然笑わない。
子どもながらに「お母さん、かわいそう・・・」と感じていました。その想いは大人になった今でも潜在意識の中にあって、
母親をおいて幸せになれない=結婚しない
という人生を選択していたことが分かりました。無意識的にそう思い込んでいたんですね。
ご本人はまったく無自覚で、母親を可哀想と感じていたことも忘れていたそうです。
で、ここからが本題で、カウンセリング中、Fさんは「お母さんが可哀想・・・」といって、泣き出しました。
お母さん頑張ってるのに、お父さんにもおばあちゃんにも大切にされてないし、可哀想…って。
お母さん可哀想という想いを何度もおっしゃるFさんに、私は「ん???」と違和感を感じました。そして、即座に必要なサポートをさせていただきました。
私が、どこに違和感を感じたか分かりますか??
Fさんは、ずっと「お母さんのために」泣いていたんです。
「つらそうなお母さん見てると悲しい」「お母さんを笑顔にできないことが悲しい」不幸そうな母親を想って泣いていました。
そんな、お母さんを思う優しさは、とっても分かります。
とくに、子どもは母親のことを無条件に大好きです。大好きな人が不幸でいる姿を見るのは本当につらいものです。
だけど。
心理カウンセリングは「あなたがあなたのために」、泣いたり、怒ったりする場です。
かわいそうなお母さんのために泣いてもいいです。
だけど、結婚できないという現実を変えるためには、
不幸な母親を見たことで幸せになろうと思えなかった、そんな「自分のために」悲しんだり、怒ったりすることが必要なのです。
幼い時、両親をみて
「幸せになっていい」と思えなかったことへの悲しみや怒り。
「結婚=幸せ」と思えなかったことに対する気持ち。
子どもの頃に感じていた気持ちを消化する。
その上で「私と母親の人生は別のもので、私は幸せになっていい」。そう自分に許可を出すことで、潜在意識を変えていくのです。
両親がどんな夫婦関係だったのか。それを見た「子どもの自分」がどう捉えたのか。私たちの結婚観は、ここから大きな影響を受けるのです。
カウンセリングが終わってFさんに聞いたところ、これまでも他のカウンセリングを受けてこられたそうです。
「私、これまでのカウンセリングでずっと、可哀想なお母さんのために泣いていました。だから解決しなかったんですね…」と仰っていたのが印象的でした。
不幸そうな母親を見たら「お母さん可哀想・・・」と悲しくなるものです。だけど、悲しみ続けることは、かえってアダルトチルドレン・長女気質に多い、「自分より他人を優先させるパターン」を強化することになります。
他人を優先するパターンが強化されると、ますます「自分の結婚よりお母さんを残していく方が心配」と結婚から遠ざかってしまいます。
お母さんのために泣いてもいいです。その気持ちだって本当に感じていたのですから。
だけど、そこで終わらせず、その出来事を通して「幸せになったら悪い気がする」「自分一人で幸せになれない」と感じた、幼い自分のためにも泣いてほしいのです。
健気で純粋で まだ子ども。なのに、無意識とはいえ、お母さんとつながるために「幸せにならない」と決めた自分のために泣いてあげる。
そう感じていたかハッキリした記憶がなくても大丈夫。「当時はそう感じていなかったけど、大人になった今思うと、すごく悲しかったかも…」という程度で構いません。
アダルトチルドレン・長女気質の優しい人ほど、自分のために泣きましょう。
自分を犠牲にして、人のために頑張ってきた「子ども時代の自分のため」に、そんなけなげな自分を想って泣くことが、悩みを解決するために必要なのです。
後日談ですが、その後Fさんはご結婚されました。^^
かつて結婚まで行きかけた方と復縁、カウンセリングから4ヶ月後に入籍されました。私もとっても嬉しいです。^^