「あなたのご質問にお答えします」
今回のご質問は、クライアントさんからも訊かれるご質問なので
こちらにも残しておきますね。
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Q:ブログを読ませていただいて、いまの悩みが小さいときの親との関係からきていることに驚いています。
ただ、私は、子どもの頃の記憶が全くありません。
その時の出来事や、周りの人の表情、自分の気持ちなどの記憶が全然ないのです。
そういうものだと思っていましたが、子どもの頃の話を友達としていた際、あまりに記憶がないことに驚かれました。
記憶がないのは、私自身に心の問題があるからでしょうか?
また、思い出すためには、どうしたらいいでしょうか?
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「3日前のランチ、なに食べたか覚えてますか?」
そう聞かれても、ほとんどの方が思い出せないと思います。
だけど、
「ファーストキスの相手は?」
「学生のとき、すごく好きだった人は?」
こっちの質問だと、鮮明に覚えている人がほとんどのはず。
たとえ、それが何十年前の出来事だったとしても、です。
なぜ、
ファーストキスのことは覚えているのに、
3日前のランチは、記憶が残らないのでしょうか?
この「違い」に、小さいころの記憶のある・なしのヒントが隠されています。
実は、出来事を記憶する・しないには、
「あるもの」が、密接に関係しているんです。
それは、ずばり、
【感情】!
感情が大きく動いたことは、それが何十年前のことでも覚えてるし、
感情が動かない出来事は、ちょっと前のことでも忘れてしまう。
こんなふうに、【記憶】と【感情】は
密接に関わっているのです。
たとえば、東北の震災や津波や、アメリカの同時多発テロ。
多くの方が、あの映像を今でも思い出せると思います。
なぜなら、衝撃的な映像をみて、感情が大きく動いたからなんですよね。
とすると、「小さい頃の記憶がない」、その原因は、
小さい頃、感情が動いていなかった(少なかった)から。
「いつも感情を我慢していた」か、
「あまりにも、つらすぎて、
感情を感じないよう自分を切り離していた」からです。
たとえば、
・「お姉ちゃんなんだから」、と気持ちを我慢させられていた
・お父さんの暴力が怖くて、気持ちも身体も固まっていた
・いじめがつらくて、感情を切り離した
・お母さんに怒られてる間、空想ばかりしていた
など、
感情を我慢したり、感じないよう自分を切り離した結果、
感情の振れ幅が小さくなり、
「記憶に刻まれない=記憶がない」
となっているんです。
では、子どものころの記憶を思い出すには、どうしたらいいのでしょうか?
それは、
「感情」や「身体の感覚」を感じていくこと♡
思い出せる範囲でいいので、
子どものころの感情に、浸ってみるのです、
じっくりと。時間をかけて。
少しずつでいいですよ。^^
幼いころの記憶をまったく覚えていない人は、「最近感じた気持ち」に浸る、でもいいですよ。
そうやって少しずつ、感情や身体感覚を感じられるようになると、
並行して、
忘れていた過去の記憶も、少しずつ、よみがえってきます。
「よみがえる」んです、記憶が。
実はね、記憶がないと感じていても、
ちゃんと、私たちの中に残っています。
ただ、
「その記憶へアクセスできないようになっているだけ」。
記憶を失くす(ように見せかける)ことで
無意識の心が、守ってくれてるんです、つらい気持ちを感じないように。
だから、少しずつでもいいから、
子どもの頃のつらかった感情が解消されていくと、
忘れていた記憶も思い出していけますよ♡
心理セラピスト 斉木智美
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