カウンセリングをしていると「怒れない方」が本当に多いです。
たしかに社会の中では「怒らない方が得策」と感じる場面がほとんどですよね。たとえ頭にくることがあっても、波風たてずに我慢してやりすごす。
その方がトラブルに巻き込まれないし、無難にやり過ごせると思うんです。
だけど、、、ですね。
我慢して抑えこんだ怒りは、「別の悩み」へと形を変えて私たちを苦しめるのです。
「別の悩み」とは、たとえば、無気力や倦怠感、罪悪感、自分を責める、不安が強くなる、、、等々。一見関係なさそうに見えても、怒りを出すことで解決する悩みや症状はたくさんあるんです。
だから怒りは出した方がいいんですけど、かといって、怒鳴ったり人にぶつけたり感情的にならなくていいんです。
「怒りを出せるようになっておく」。まずはここを目指して、必要な時にしっかり怒れるようになっておきたいのです。
その足かせとなる「ネガティブな思い込み」を解説する【心の呪縛シリーズ第三弾】。
テーマは怒りです!
「怒りを出してはいけない」チェックリスト
心の呪縛メッセージ「怒りを出してはいけない」がある時、日常生活においてこう感じやすいです。
- 怒っていても我慢してばかり
- 怒りを見せてはいけないと感じる
- 後から思い出して怒りが湧いてくる
- ふだんから怒らないほう
- 周りから「そこ怒るところだよ」と言われる
- 自分を責めやすい
- 罪悪感がつよい
- 無気力、憂鬱。朝起きられない
- 言いたいことが言えない
- 主張したり断ることが苦手
- 怒っているのに笑ってしまう
- 怒ろうとすると涙が出てくる
いくつ当てはまりましたか?
当てはまる数が多いほど、怒りを我慢しているサインです。
では、この怒りを我慢するようになった原因を見ていきましょう。
この思い込みが作られた原因
「怒りを出してはいけない」という思い込みの多くは、「子どもの頃の家族の中で」で作られます。
では一つずつ見てみましょう。
すぐ怒る親を反面教師にした
まず一つめは、すぐに怒る親をみて「私は ああならない」と反面教師にしたケースです。
- 「あんな風にならない」と反面教師にした
- 感情的に怒鳴る親を見て「みっともない」と感じた
- 怒られる気持ちが分かるから自分は怒らないと決めた
すぐ怒る親のもとで育ったからこそ、その反対の、怒らない人になろうとする。そんな心理が働いているんです。
そして、このケースの方は、怒らないように!と我慢するものの、最後は爆発して感情的に怒ってしまう方が多いです。
なのでご本人は「私も親と同じで怒りっぽい」と思ってますが、実はその反対です。
怒りを我慢するから溜め込んだ怒りが爆発するだけ、なのです。
怒ったら嫌な目にあった
怒りを出さなくなった原因2つめは、怒ったら嫌な目にあったケースです。
たとえばこんなケースです。
- 怒ったら人から嫌われた
- 怒ったら人が離れていった
- 怒ったら親にたしなめられた
- 怒ったら仕返しされた
実際に怒った時に嫌な思いをした。そんな経験をされた方も多いです。
そして、そのことで「怒りを出してはいけない」と、怒りを封印してしまうのです。
思い込みが作られた後は、どうなるの?
上のような出来事を通して「怒りを出してはいけない」と思いこむと、大人になってもそのパターンを繰り返します。
怒りを我慢して、それがある時、爆発して感情的に怒ってしまう。
しばらくして冷静になったら、怒った自分に自己嫌悪して、「次からは絶対に人前で怒らない!」とますます思い込みを強めてしまう、、、
そんな風に、一度思い込みが作られると、「怒りを出してはいけない」パターンを強化する生き方になるのです。
「怒りを出してはいけない」を解決するために
「怒ることは みっともない」「怒ると人から嫌われる」
そう感じている人に伝えたいのは、
ってことです。
目指したいのは、怒ることも、それを我慢することも両方できる状態です。
「怒れない」と「怒らない」は、たった一文字の違いです。
だけど、心理的には大きな違いがあります。
怒れない=選択肢がない状態。我慢一択。
怒らない=自分で選んで決めたこと。
相手や状況によって、怒りを「出す・出さない」を選ぶことができる。
ここを目指していきたいのです。
結果的に「怒り返さなかった」としても、我慢するしかなかったのか、自分で選んでそうしたのかでは、ストレスの度合いが大きく違います。
もちろん、前者の方がストレスが溜まります。
そのあたりの「安全で適切な怒り方」は、カウンセリングやノート講座などでお伝えしています。
目指すは、怒りを「出せない状態」から「出す・出さない自分で選べる状態」。大人になった今、心の呪縛から抜け出して「怒り」と上手につきあっていきましょう。
思いがけなく、自己否定や自分責め、やる気ないない病なども解消していきますよ。